今回は、娘さんがいわゆる「後出しマルチ」の被害にあってしまったものの、なかなかマルチ自体をやめようとしないといったご相談を紹介しています。近年、20代をターゲットとした危険なマルチビジネスやMLMの被害が多発しています。
「後出しマルチ」とは、最初からマルチビジネスの仕組みであることを隠して、通常の儲け話を装ってターゲットに近づき、お金を支払わせた後に本当の仕組みを説明して勧誘を行わせる方法です。マルチビジネスやMLMに忌避感を持っている若者も騙されやすい手口です。
よすが総合調査では、実地での調査だけではなく、その結果を生かしたカウンセリング・説得などを請け負って問題の根本的な解決までをサポートしています。このようなマルチビジネスの被害は、お金や心を取り戻すために、周囲の人が一刻も早く解決に乗り出す必要があります。
ご家族やお子さんに同様のトラブルの心当たりがある方は、必ず無料相談窓口までご相談ください。
「後出しマルチを続ける娘をやめさせたい」相談事例
相談内容「娘が“後出しマルチ”に関与している」
「21歳の娘について相談させてください。
現在学生で、大学の近くで一人暮らしをしています。
先日、久々に実家に帰ってきたときに、突然学校を辞めると言い始めました。
理由を尋ねたところ「仲間と共にビジネスを始めたいので、大学で勉強している時間がない」とのことでした。
驚いた私と妻は、何のビジネスか、誰とやっているのかなど、根掘り葉掘り聞いてしまい、それが元で喧嘩になってしまいました。
僅かながら聞き出せた話からすると、娘は最初、投資に関するセミナーに参加して勉強をしていましたが、それよりも営業に才能があるということを見出され、現在は集客を担当しているとのことでした。またそのための法人を、何人かの知人と立ち上げる予定だ、とも話していました。
ちょうどその頃、ネットのニュースで「後出しマルチ」の記事を見ました。
勧誘をさせられる流れなどがまさに娘と同じと驚き、すぐにこちらへご相談させていただきました。
しかし、まだ完全に娘がやっていることがマルチビジネスという確証はありません。現在は連絡をしても、あまり返信がない状況です。悪い人たちに騙されていたら、という不安が払拭できないので、調査を行っていただくことは可能でしょうか。」(福岡県 / 50代・男性)
※当社に寄せられたご相談と調査内容から、内容を一部改変してご紹介しております。
※実際の会社・団体とは一切関係がありません。
娘の後出しマルチをやめさせるポイント
「やめざるを得ない」証拠が必要
今回のご相談では、まず娘さんがどこの誰と、何をしているかを明確に把握しなければいけません。その上で、「最初から確実に損をする仕組みになっている」「違法性がある」などの証拠を提示して、やめざるを得ない(続けると損をする)という自覚を持たせる必要があります。
「後出しマルチ」被害については、都合の悪い情報を後出しにしていることから、行っている側としても知られたくない情報としてる点は明白です。そのため、隠されている都合の悪い情報を、照会調査や潜入調査を用いて確認する必要があります。
中には「続けても良い」ビジネスも
しかし、そのような調査を行った上で「全く問題がない」と判断されるケースも存在します。マルチビジネスやMLM自体は違法行為ではないので、法律を遵守された上でしっかりと営業をしている団体も多く存在します。
逆に、一般的な起業や新規ビジネスでも、少なからず損をする場合もあります。そのため、マルチビジネスやMLMだから、といって「損をする詐欺だからすぐにやめさせる」とするのではなく、そのビジネスモデルや関係者、扱う商材自体が怪しくないか、冷静かつ客観的に判断する必要があります。
よすが総合調査では、経営コンサルタントやリスクマネージメントのプロとタッグを組み、調査結果をもとにした検証を行うことで、詐欺を見抜く取り組みを行っています。
子供にマルチビジネスをやめさせるための説得とは
娘さんが行うビジネスについて、完全に否定ができる証拠を手に入れたとしても、間違った使い方をしてしまうと逆効果となってしまうこともあります。例えば「叱りつけて反省を促す」「言い訳をさせないように論破する」「感情的に訴える」などは、こうした事例では逆効果となってしまう場合もあります。
娘さんの後出しマルチ被害を解決するためには、説得の際にプライドを尊重して「あなたは詐欺師に騙されて被害に遭った」と自認させてあげることが重要です。心の逃げ道として、しょうがなかったと思えるような理由を用意してあげることで、心身のダメージを減らすことができます。
今回のケースでは、すでにご両親が娘さんと喧嘩し対立する形となっていますが、そうした場合はご両親のどちらかや祖父母、友人知人など、娘さんの味方をしてあげる人物を一人用意することが望ましいでしょう。
説得してもすぐにやめなかったら
たった一度の説得で、娘さんの考えを180度変える事はなかなかできません。あくまでも、説得でネガティブな情報を植え付けた上で、ご家族や味方が「いつやめても大丈夫」と受け入れる姿勢を取って待ち続けることが必要です。
調査によって得られるネガティブな情報は確固たる真実なので、危険なビジネスに関与し続けるのであれば、必ずその情報を実感する時が訪れます。その際に「やっぱりこのビジネスや経営者は間違っている。説得の内容は正しかったんだ」と思ってもらえることが、理想的な目の覚まし方と言えます。
「後出しマルチを続ける娘をやめさせたい」解決への流れ
①娘さんの素行調査の実施
尾行や張り込みを用いて行動をチェック
今回、娘さんがどこで誰と何をしているのか等、不明な点が多々見受けられることから、尾行や張り込み調査を実施して素行を確認することとなりました。
娘さんは大学生ですが、現在はオンライン授業を主としており、外に出る用事と言えばマルチビジネスに関する集会や勉強会、勧誘行為が多いとのことでした。そのため、ご家族と連携をとり、大まかなスケジュールを入手した上で尾行調査を実施しました。
結果として、娘さんが行っているビジネスの内容や勧誘の様子などを確認することができました。その内容とは、マルチビジネスという業態を隠して勧誘を行う、後出しマルチの条件に付合していました。
また、交際相手らしき男性と、男性宅で頻繁に会う様子なども確認されました。この男性も、同じビジネスに関与しているメンバーであることも判明しました。
②信用調査の実施
前段の調査で、ビジネスの内容や人間関係について把握できたため、その情報を元にやめさせるために必要な情報を収集する運びとなりました。具体的な内容としては、法人に関する信用調査や、過去のトラブル、行政処分に関するデータなどの収集となります。
その結果として、娘さんの行っている後出しマルチの形態に違法性が見受けられ、かつ娘さんが行っていた勧誘や契約などの内容についても不備が発見されました。また、同様の後出しマルチに関するトラブルで、過去に同社が返還請求を起こされたり、行政処分を執行されていることも判明しました。
③調査結果を用いた説得
今回の調査で、娘さんが行っている後出しマルチビジネスの問題点や違法性を確認できたため、その証拠を用いて娘さんをやめさせるための説得を実施することになりました。説得は娘さんとご両親、カウンセラーの四者で行われました。
説得については、まずカウンセラーから、娘さんが行っているマルチビジネスに関する問題点を説明した上で、「あなたは騙されて、後出しマルチの行為に加担している。この証拠を見ても、まだ続けますか」という確認を行いました。
結果として、娘さんは自分が行っていたマルチビジネスの違法性について知っておらず、むしろ後出しの方法はテクニックとして会社から勧められた勧誘方法だったとのこと。違法性を伴うという説明は一切なかったとのことでした。そして、その事実が本当なら今後一切マルチビジネスは行わない、今の会社からも手を引くという約束をしていただくことになりました。
その後の娘さんの動向
後日、説得を行ったカウンセラーのもとに、親御さんからの経過報告が届きました。
その内容によると、娘さんは説得の直後に会社へ事実確認を行ったものの、行政処分や過去のトラブルについて否定も肯定もされなかったため、会社を訝しむ気持ちが強くなったようでした。
そもそも、娘さんは交際相手の男性からこのビジネスを始めるよう勧められたとのことですが、娘さんがそのマルチビジネスや後出しマルチの問題を否定したことにより、交際相手と関係が悪化して別れることになったそうです。そこで、娘さんも完全に目が覚めたようで、現在はマルチビジネスの会社に支払った教材費やセミナー費に関して返還請求を行っているとのことでした。
まとめ
お子さんが後出しマルチの被害にあっている場合は
今回の事例は、現在危険視されている後出しマルチに関して、娘さんにやめさせるよう調査を行った内容となります。このように、後出しマルチに関しては若者の被害者も多く、勧誘をしている側も「問題のある行為だとは思っていなかった」という意見を多く耳にします。
特に20代前半の学生に関しては、SNSなどで勧誘を受けて大金を払ってしまったり、それを取り返すために犯罪すれすれの勧誘行為を行っているなどのトラブルが多発しています。
もしお子さんの不審な行為に心当たりがあったり、マルチビジネスやネズミ講のような勧誘行為でお金を稼いでいるといった場合は、後出しマルチのような危険が含まれているかもしれません。ご相談は、必ず解決実績のある専門家にお寄せください。
「娘・息子の後出しマルチ被害」に関する無料相談窓口
よすが総合調査では、後出しマルチのようなMLM・ネズミ講に関するトラブルのご相談・ご依頼を受け付けています。
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