人探し調査の相談の中には「昔迷惑をかけた人に謝罪をしたい」という類のものが存在します。
結論から申しますと、迷惑の内容にもよりますが、そういった依頼において、最終的に謝罪を受け入れてもらえた例はあまり多くありません。
あくまで経験からですが、穏当な形で謝罪を受け入れて貰えるのは3割程度かと思われます。
この記事では、依頼を通して見てきた謝罪を受け入れて貰うことの難しさと、我々が調査を受諾する際に確認する条件を紹介します。
人探し調査そのものに関しては、こちらの記事をご参考にしてください。
謝罪は誰のため
迷惑の度合いによっては謝罪を受け取ってもらえない事があります。
時間が経つことで、なし崩し的に許しを得ることが可能になるケースも存在しますが、逆に時間が経っても、怒りが消えないどころかより怒りが強くなっているというケースも存在します。
そういった状況の中で、不意打ちのような形での謝罪は、相手の怒りを再燃させる可能性があるのです。
謝罪をしたいというのはあくまでこちら側の都合でしかなく、相手側からすると顔も見たくないと思われていても不思議ではありません。
その場合、覚悟を持って許しを得るまで謝罪し続けるか、謝罪自体を諦めるかの判断が重要となります。
お金を借りたままにしていた学友を探してほしいという依頼
我々の反省の意味も込めて、実際の依頼から、謝罪を受け入れて貰うことができなかったケースを紹介します。
依頼者は40代男性で、大学時代に学友からお金を借りたまま返していないとのことでした。
借金額は10万円。学友には生活苦を理由にしましたが、本当の理由はギャンブルでした。
その学友以外にも金融会社などから借金を重ねていたことが親にバレて勘当され、そのまま大学を中退。
気まずさから友人への返済も行わないまま、時間が経ってしまったとのことでした。
その後、紆余曲折ありましたが、生活も安定し、金銭面での余裕もできたため、学友に謝罪と、利子をつけて返済を行いたいとのことでした。
依頼者へのヒアリングは入念に行いました。
調査費用は借りた金額の10万円を上回ります。
個人の感覚にもよりますが、そんな気安く使える金額でもありません。
しかし、依頼者の意思も固く、依頼者自体の信用性など、諸々のチェックも通ったため、依頼を受諾しました。
調査の結果
調査自体はスムーズに進み、依頼者の現在の住所や連絡先を特定することができました。
依頼者は、結果が出たことに喜び、こちらとしても、結果を出せたことにほっとしていたのです。
しかし話はそこで終わりませんでした。
事情は後日、意気消沈した依頼者から伺ったのですが、依頼者が、学友に謝罪に訪ねた時に、返ってきたのは罵倒だったそうです。
その学友は依頼者にお金を貸した後、実家の家業が傾き、経済的な困窮から大学を中退することなったそうです。
その10万円があれば大学を中退しなくてもよかったかというと、そういうわけでもないのですが、そのことを原因の一つと思い、ずっと恨んでいたとのことです。
依頼者は学友からその恨み事を最後まで聞くことなく、お金だけ押し付けて、逃げるように帰ったとのことでした。
依頼者の弁では、相手も住所を知られてしまっているため、罵倒もあの程度だったのだろう。とのことでした。
我々としても、依頼者にも、その学友に対しても配慮が足りなかったことを思い知らされた苦い経験です。
相手に負担をかけないように謝罪を行うためには
謝罪という行為そのものが謝罪する相手にとって負担になるのであれば、それは独りよがりなものでしかありません。
金銭の貸し借りではタイミングによって金額以上の迷惑をかけている場合もありますし、いじめなどは人生そのものに暗い影を落としていることが殆どです。
そういった理由から、謝罪を受ける人の状況も非常に重要となります。
相手の生活状況を確認する必要がある
正直な所、現状の生活状況が安定していなければ、謝罪そのものが苦痛と感じる方が多いです。
突然訪ねに行かない事もそうですが、謝罪するにあたって、その方法も検討したほうがいいでしょう。
よすが総合調査での取り組み
謝罪をしたいというその思いは尊いものだとは思いますが、自分本位なのであれば相手に不愉快な思いをさせるだけです。
状況によっては謝罪だけでは済まない場合もあります。
住所や電話番号などの連絡先を調べることはできますが、それだけでは不十分です。
相手の生活状況とそこに至るまでの経緯を調べた上で謝罪を行わなくてはなりません。
そういった意味では、それだけの労力をかける覚悟がある方なのであれば、我々としても調査をお受けする理由にもなります。
ただ、調査費用が理由であきらめる方も非常に多いです。
それを踏まえた上で、それでもという方を、我々は最大限サポートいたします。